(※SUPER HEROISMの内容に触れますので、ご注意ください。)
「僕が昔見たヒーローは、かっこよかった!!」
そんな冒頭から始まったミュージカル「SUPER HEROISM」。
クラブEXの小さいステージに、ゴタンダ(嶺亜くん)が。ついに、ついに始まりました。明るくて常に笑顔なゴタンダ。衣装やセットも相まって、すぐにSUPER HEROISMの世界観に引き込まれた私。色々な想いが込み上げてきますが、今、この瞬間を逃すまい、そんな想いで観劇スタート。
さてさて、ピーマン(大光さん)は、と言いますと……忘れもしない開始20分過ぎ(!)いよいよ、いよいよか……とその時をじっと待つ。「LOVE体操」が始まった瞬間「(これは……テーマ曲?いやまて。大光さんまだ出てきてないけど……あ、そっか…大光さんお客さん役だった……だよね……まだ出てこないよね……)」。テーマ曲を歌ってるのにピーマンが居ない。待って……待ってくれ…………と、次の瞬間!!まさにサビの1番美味しい所で、颯爽とピーマン登場!!ステージの中央で!キレッキレダンス!!ピーマンだけど!!大光さ~~~~~~~~~~~~~~ん!!もう、佐々木大光さんそのものでした。いつもの、あの、大光さん。いつもの、あの、冷静かつ沈着に踊る、大光さん。気づいたら私、泣いてました(早ぇ)情報が解禁されからずっとみてたあのピーマンのビジュアル。私の頭の中で静止画だったピーマンが、ついに、ついに動き出しました。ほんの20秒くらいだったでしょうか、あっとゆう間でしたが、いや、本当にこんな景色が見たかったんだ、この日の為に私はずっとずっとずーっと応援してきたのではないか、と錯覚するほどでした。
登場シーンがあまりにも衝撃的で、心奪われてしまった私は半ば放心状態。だがしかし進むストーリー。なんて、なんて面白いんだ……!!ころころ変わるゴタンダの表情。クラブEXの小さいステージを縦横無尽に動き回るゴタンダ。なだぎさんが仰ってたように、正に出ずっぱりのゴタンダ。「(嶺亜くん……!凄いよ……!!)」と、ピーマンが出てなくても終始感無量な私でした。
ゴタンダと従業員で繰り広げられるストーリー。続いて2回目の登場は、さらに10分後でしょうか。上手からなにやら怪しげな男がひとり……「(ピ、ピーマンっ……!!!)」先程とは打って変わって、リュックを背負い、そのリュックの肩紐は短め、短い肩紐を両手でギュッと握りしめ、そのリュックからはスケッチブックがちらりと覗く。いやチラリどころでは無い。今にも落ちそうな程。上手から登場したピーマンは、小股に歩き何とも弱々しい、大人しい性格がその姿から滲み出て。見た瞬間に性格をも察知してしまうくらい「ピーマン」になりきっている大光さん……ああ感無量……「(これが!ピーマンか!)」と頷いた私は、当たり前だがピーマンから目が離せません。肉売り場のイッペイがピーマンのリュックにピーマン2つを投げ込む。これが全ての始まり。困ったピーマンはどうする事もできずにただただオドオド。「え……っ……えっ…………」最初に聞き取ったセリフは確かこれだったでしょうか。ピーマンを返すこともできないピーマンは声にならない声で「…………ちょっと待ってくださぁ~~~い」と言い、走り出し真ん中から捌けていきました。
2回目の登場で、性格を演技で現した大光さん。さすがでしたね。「(なるほど。ピーマンの性格は分かった……果たしてこの後一体どう展開するんだ……)」私は胸が踊る気持ちを抑えつつ、ストーリーに集中しました。
各売り場で研修をするゴタンダ。そしてピーマン2つを返しに来たピーマン。しかしなかなか声が掛けられない大人しいピーマン。そして「歌いまぁ~す♡」とお人形さんみたいに可愛いチサ(中村麗乃さん)が歌い踊る……その瞬間です……!!チサに心奪われたピーマンがそこにはいました。「(そうだった!……っっっっこれは、、、この物語は、、、っっ、、、ピーマンが一目惚れする話しだったじゃないか、、、!!)」 うっかり忘れていた私は、「ピーマンのハートに矢が刺さった瞬間」をみて私のハートにも矢が刺さってしまいました(なんだそれ)先程までのピーマンとはまるで別人のよう。それはそれは目がハートマークになり、目じりが下がり、チサを見たい!いや!でも!恥ずかしい!/////……って終始メロってて、見てるこっちが恥ずかしくなるくらいでして。大光さん。あなた素晴らしいメロり方よ。脱帽でしたね。こんな演技もできるんだ、とやっぱり泣くしかなくて(お決まり)しかも、一目惚れした後、エイタ(井阪さん)メインの曲「君の鮮度」。かっこよくそして紳士的に美しく歌いあげるエイタをよそに、ずっと後ろでピーマンがメロってるんですよ笑 カートに隠れたり、伊勢海老に隠れたり(全く隠れてない笑)、そんなピーマンが愛おしくなりましたね。 そして次の瞬間です!!!!メインで歌うエイタを差し置いて(!)センターで踊り狂うピーマン!!脱帽でしたわ。自分の溢れだす気持ちを表現してるかのようなダンス。でも、大光さん。もう大光さんそのものでした。またしても泣いてしまry
スパヒロのテーマ、「愛の売り場はどこですか?」。正にこのゴングが鳴り響いた様で、私の心はわくわくが止まりませんでした。
ピーマンは、毎日毎日HEART BEAT MARKETに通うのです。チサに話しかける事もなく、ただただ見つめるだけの日々……チラっとチサを見るピーマンは、本当に本当に幸せそうで…
そしてついにチサへの思いが溢れてしまい、踊り、歌いました。ピーマンソロ曲、「踊るボク」。
『 冷えた気持ち それとは裏腹の
君に会える晴れた日曜日
凍えた想いもあっという間 すぐに解かしてくれる
その笑顔で退屈がなくなるような予感
解凍されたエビフライに ハンバーグも温めて
手軽じゃないよこの心
面倒だらけ僕の気持ち温めて』
これが歌詞です。
大光さんがね、ステージにひとり立ち、ひとりで歌い踊るんですよ。ミディアムバラード。こうしてブログに書いてる今も、思い出しては泣いてしまう程です。本当に、本当にずっと、ずーっとこの景色が観たかったんだと。この日の為に、ずっとずーっと応援してきたんだ、と。時間にしたら約3分くらいだったでしょうか。でも私にはとても長く長く感じました。
大光さん……歌がお上手で。正直今までソロは本当にワンフレーズでしたし、そこまで大光さんの歌声って聴いたことなかったんです。なので歌の上手さに感動しました。ダンスで抑揚を付ける様に、歌にも抑揚が付いてました。チサが好き。でも伝えれない。この想い、どうしたらいいんだ。そう言わんばかりの歌とダンス。本当に素晴らしかった。佐々木大光の集大成を、私はあの日見たようにも感じます。
「僕にはお金がありません。(チサがいる)レジに並ぶ事もできません。だから毎日通って、顔を思い出して、描いているんです!!」と目を輝かせながら語るピーマン。もうこの時のピーマンが本当に可愛くて可愛くて……キラキラしてて、生き生きしてる……とても輝いてみえました。
時を同じく、ゴタンダもまた、チサに恋をしてしまったわけでありまして……。2人同時に、「愛の売り場」を探すストーリー。そんな2人が織り成すデュエット曲「『 Heart Beat』リプライズ2」。
『 今この愛を 買うとしたなら
あの子に売ってもらいたい
そして僕の求める 愛の売り場はどこへ?
何処へ行けば 見つかるのですか?
ねぇ神様 僕の愛はあの子のもとへ
届きますか?』
もう本当に、胸がいっぱいでしたね。嶺亜くんと大光さんが、2人で歌う。侍結成当時、誰がこの姿を想像したでしょうか。感無量とは正にこの事。大光さんが下ハモだったんですが、2人の歌声がピタっとハマり、もう素晴らしいの一言に尽きます。
そしてピーマン2つを返しに来たピーマン。「すみませんでした!」と謝るのです。勝手に投げ込まれたのに謝るんですよ。ここからもピーマンの性格を察知。なるほどなるほど。大人しい彼は、本当は優しい心の持ち主なのでは……?店員に怒ることなく、謝るその姿にまた胸が熱くなるわけで……。「気弱だけど優しい。優しいところは、まるで大光さんみたいだね……」と、ピーマンと大光さんを思わず重ねてしまう私(許してくれすまん)。
そしてチサがピーマンにこう言いました。「また来てくださいね♡」…………その時でした……「ファイっ!」とゴングが鳴り響きました(私の中で)。
「神様ぁ~!ついに恋のライバル出現です!!」と叫ぶゴタンダ。さぁ2人の恋の闘い、ついに火花が切って落とされました!!!!「また来てくださいね」の言葉で勇気が出たのか急に生き生きするピーマン。さっきまでの大人しいピーマンとは違う……さぁ!ピーマン!踊りだします!しかも!!ゴタンダを明らかに挑発!!「かかってこいよ……!」と言わんばかりのピーマンの堂々としたダンス!!そしてチサと踊るピーマン。仕舞いには、チサを顎クイ…………!!!!もう一度言います。顎クイです。顎クイですよ!!!!自信に満ち溢れてスカした感じでちょっと目を細めて迷うことなくチサを顎クイですよ!!!!この時の大光さんの顔、一生忘れません墓場まで持ってきます!!!(??!)ってくらいの表情。いや、凄かったです。大興奮でしたね正直。だって大光さんあんな演技できるなんて知らなかったからもう言葉にならないくらいで、やっぱり泣きましry
「愛の売り場」は果たしてみつけられるのか……
ゴタンダはピーマンのヒーローになりたいと思い、ピーマンの恋が上手くいくように手助けをするんです。そう思える様になったのは、従業員(アルバイト)の仲間が居たから。個性派だらけのHEART BEAT MARKETで、個性が無いゴタンダ。それはまるで「自分探し」をしてるようにも思えました。やっとみつけた自分の「個性」。それがピーマンのヒーローになる事で。とびきり明るくて屈託のない笑顔でゴタンダはこう言いました。「君のスーパーヒーローになりたいんです!」
ゴタンダに背中を押されたピーマンは、ついにチサにアタック!しかしながら、チサの悪事が露呈……レジからお金を盗む姿を目撃してしまうのです……
この時のピーマンの演技が本当に素晴らしくてね。俯いて、ちょっと震えながらも、泣いてる様にも思えました。もちろん感情移入してしまいました。大光さん本当に素晴らしかったです。
「みんな分かってたんでしょ?みんな私の事嫌いでしょ?」と言うチサに対して、「そんな事ない!この人も……!……俺も!チサちゃんの事が好きだ!」と言うゴタンダ。
普通ならばこんな風に言えないかな、と。人の悪事を見てしまったら、なんとも言えない感情になり言葉に詰まるはずですが、「好きだ!」と真っ直ぐどストレートに気持ちを伝えるゴタンダに、優しささえ感じてしまいました……それはまるで「ここに味方は居るよ」と言わんばかりに…。
ただただ可愛くて何も考えてなさそうなチサですが、「お金が無いと価値がない」とポツリと言い、本当は誰かに気づいて欲しかったのかな、と。本当は誰かに止めてほしかったのかな、と。ある意味、やっと悪事を止める事ができたのも、ゴタンダのお陰だったのではないかと。違う形ではありますが、チサのヒーローにもなれたんじゃないかなと思いました。
ピーマンもスーパーヒーローに助けてもらい、勇気を貰った。恋は実らなかったけど、ヒーローに助けてもらったのは事実。
そう考えたら、「明るくて優しい性格」がゴタンダの立派な個性であって、スーパーヒーローは元々ある彼の優しさから成り立つもので、ずっとずっとスーパーヒーローだったんではないかな、と。
「好きな人と結ばれる 」それだけが結果じゃない。好きな気持ちや相手を思いやる気持ち、たくさんの愛の形が「愛の売り場」にはあって、そしてその「愛の売り場」は人それぞれの心の中にあるんじゃないかな、と。
長くなりましたが、これが「SUPER HEROISM」を観た私の感想です。
そしてラスト、いつものあの装いでは無く、ちょっと正装したピーマンが颯爽と現れてこう言い、本編の幕が閉じました。
「僕は昔、ヒーローに助けてもらったんです(中略)片思いを描くようで、彼の人生を描きたかった。それがこの作品です。」
皆様ご存知の通り、SUPER HEROISMは3月23日たった1回きりの公演になりました。
大阪が中止になり、当初予定してた東京も3日間中止。やっとの思いで、3月23日ついに初日。ついに開店。しかし開演1時間前に突如知らされた、1回のみ。初日が千秋楽になりました。
正直、悔しいです。
もっと、もっと観たかった。大光さんが演じるピーマンをもっと観たかった。どんどん成長してくピーマンを、大光さんを、みたかったです。
たくさんの方に愛された作品。ファンの私たちもそうですが、カンパニーの皆様からも愛された作品。でもこの1回が必ず次に繋がる。そう信じてなりません。
「僕たちがもっとビックになって、必ず再演します!」
カテコでこう言ってくれた大光さん。あぁ、立派になったな、ととても感慨深いものでした。もしかして泣いちゃうかな?大丈夫かな?という私の心配をよそに、それはそれは堂々としており、大光さんの言葉に助けられた様にも思います。たった1回でしたが、きっと大光さんが得た物は大きいでしょうし、成長したでしょうし、何より堂々としてる大光さんが、私にとって誇りであり、自慢の担当です。
そして最新YouTubeにもあったように、大光さんが嶺亜くんに宛てたお手紙に、こう書いてありました。
『 最近れいあとは何だかずっと一緒にいますね!!二人でミュージカルが決まった時、本当れいあと一緒でよかったと思いました。絶対にまたミュージカルを再演させましょう!!』
なんとも真面目な大光さんらしい言葉だな、と。素直で真っ直ぐで、恥じらう事なくこうして思いの丈を言える。そんな大光さんが本当に好きだしずっとそのままでいてほしい。そして嶺亜くんと大光さんは、私たちには計り知れない程の「関係性」を築いてきたんだな、と。
そして最後に嶺亜くん。嶺亜くんの笑顔に何度となく励まされたことか。コロコロ変わる表情。屈託のない笑顔。まさにゴタンダは、嶺亜くんそのものの様にも思えました。侍のセンターで、スーパーアイドル。スーパーアイドルは、スーパーヒーローでもありました。
カテコの最後の最後、嶺亜くんと大光さん2人きりになり、真ん中から捌ける時ね、2人が目を合わせ、そして大光さんから手を差し出しました。そして嶺亜くんも。2人で力強く握手。この瞬間の2人を私は一生忘れません。力強い握手の中には色々な想いが詰まってた様にも思えます。
大光さんが嶺亜くんに出会えて、そして今こうして同じグループで活動してる事に、心から感謝を。
さて、皆さまの「愛の売り場」はどこにありましたか?嶺亜くんが演じたゴタンダ、そして大光さんが演じたピーマン。そしてカンパニーの皆様が演じた従業員。ひとりひとりがSUPER HEROISMを通して何を伝えたかったのか。たくさんの事を受け取りました。そしてこの環境下もあり、たくさんの事を考えさせられる、そんな作品でした。
そして最後に大光さんへ。
大光さんが掴み取ったチャンス。ここに来るまで本当にたくさんの事がありましたね。全ては大光さんの努力の結果だと思います。私が思うより遥かに大人で、そして真面目で。でも本当に逞しくなった。今は大光さんに感謝の気持ちでいっぱいです。たくさんの景色をみせてくれてありがとう。
私はSUPER HEROISMに出会えて幸せでした。
『 私の愛の売り場は、「SUPER HEROISM」そのものです。そして大光さんそのものです。 ペンネーム その。』
最後までお読みいただきありがとうございました。